ヘルプデスクをアウトソーシングするメリット・デメリットから費用、請負範囲などを解説

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DX化の進む昨今では、多くの企業で社内のIT関連の問い合わせに対応する「ヘルプデスク」の担当者がいるのではないでしょうか。

しかし、IT人材不足という時代背景もあり、社内SEがヘルプデスクを兼任している担当者に多くIT業務が集中し、機能してないことが多くあります。

そこで検討したいのが、ヘルプデスクのアウトソーシング(BPO)です。IT業務の外注により、業務効率化を図ることができます。

この記事では、ヘルプデスクをアウトソーシングすることのメリットやデメリットから、外注する際の費用、請負範囲、外注業者の選び方などをご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ヘルプデスクをアウトソーシングするメリット

ヘルプデスクをアウトソーシングするメリット

ヘルプデスクをアウトソーシングすることで、企業にはどのようなメリットがもたらされるのでしょうか。

ここでは、主に4つのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

業務効率化を図れる

社内におけるもっとも大きなメリットとしては、業務の効率化社内リソースの確保が挙げられます。1人の社員が社内のIT業務を兼任し、膨大なIT業務を1人で体制で対応しているという企業では、業務効率化のメリットを顕著に感じられるはず。

また、問い合わせ対応やクレーム対応などのイレギュラーな業務がなくなり、スケジュールを管理しやすくなる点からも、業務の効率化を図れます。

コスト削減を図れる

企業にとって、大きな懸念となるのがコスト面。

ヘルプデスク専任の従業員を1人採用する場合、採用コスト(求人掲載費や人材紹介会社への成果報酬など)はもちろんですが、採用担当者の人件費などの内部コストも発生します。

一方でヘルプデスクをアウトソーシングすれば、委託費用のみで完結。削減されたコストは、より重要な人材を確保したり、社内の環境面を整えたりする費用として充てることができます。

ヘルプデスクの人員の採用・教育にかかる時間も短縮できるうえ、採用担当者の業務効率化にも繋がり、企業としては大きなメリットと言えるでしょう。

サービスの質を担保できる

ビジネスシーンでは、どの業界においても来客や商品の注文などが多く忙しい時期を意味する「繁忙期」と、来客や商品の注文などが少ない「閑散期」があります。業務量は繁忙期・閑散期に比例することが一般的です。

ヘルプデスク業務をすべて社内のリソースのみで行っている場合、閑散期にできていた丁寧な対応が繁忙期にはぞんざいな対応になってしまい、水面下で業務やサービスの質の低下、セキュリティ対策の脆弱化に陥りかねません。

そのためヘルプデスク業務をアウトソーシングすることで、繁閑に左右されない安定した運用は業務効率やサービスの質の安定にも繋がります。

万が一の場合でも対応を継続できる

社外向けヘルプデスクは、クライアントからの問い合わせ対応が多い立ち位置です。

ヘルプデスク担当が社内にいると、万が一災害などにより本社が機能しなくなった場合、クライアントへの対応が遅れてしまうリスクがあります。ヘルプデスク業務を外注しておけば、問い合わせやクレームには対応できるため、先方に迷惑をかけてしまう可能性が下がるでしょう。

オフサイト型で、ヘルプデスクをアウトソーシングできるサービスを検討してみてください。

ヘルプデスクをアウトソーシングするデメリット

ヘルプデスクをアウトソーシングするデメリット

アウトソーシングによる影響は、メリットばかりではありません。外部に委託することで考えうるデメリットもあるので、きちんと把握・考慮したうえで検討しましょう。

情報漏洩のリスクがある

業務を外注するということは、対応に必要な情報やマニュアルなどを社外に共有するということです。そのほか、委託先が企業内の機密情報を知る機会も出てくるでしょう。

もちろん、アウトソーシングサービスを提供する受託側においても何かしらの対策を講じていますが、情報漏洩のリスクを0%にすることは難しいです。

ヘルプデスクをアウトソーシングする際は、委託先のセキュリティ対策がどのようにして行われているのかを調べたり、委託内容を重要な情報を共有せずに済む業務のみに限定したりと、社内でも可能な限りの対策を行いましょう。

社内ノウハウの蓄積が難しい

ヘルプデスク業務を外部へ委託することにより、社内に対応ノウハウが蓄積・構築されづらいこともデメリットのひとつです。場合によっては、外部へ完全に依存してしまう可能性もあるでしょう。
そうならないためには、下記のような対策が必要です。

  • 外注業者の対応ログを残し確認できる環境にする(SlcakやChatworkなどのコミュニケーションツールを活用するなど)
  • 業務対応に加えITツールなどのマニュアル作成を依頼する
  • 今後自社のヘルプデスク担当者になる想定のメンバーを窓口とする

社内リソースが足りないためにアウトソーシングを検討している方は、上記を意識してアウトソーシングの体制を整えましょう。

ユーザーニーズ把握の機会損失

ヘルプデスクの主な業務は、ユーザー(クライアント)からの問い合わせやクレームの対応です。

それらの業務を外注することにより、社内で問い合わせ内容や対応内容の詳細を把握しきれず、ユーザーニーズを細かく捉えにくくなります。そうなると、ニーズに沿ったサービス提供が難しくなってしまうかもしれません。

問い合わせによるユーザーニーズは、業務委託先との密な連携を行うことで把握できるので、アウトソーシングする際は意識しておきましょう。

顧客対応に時間がかかる

共有する情報や問い合わせ内容次第では、委託先が対応しきれず、本社が最終判断を下さなくてはいけない場合があります。そうなると、指示の決定や伝達などのタイムロスにより、対応に時間がかかってしまうでしょう。

このデメリットを解消するには、あらかじめ委託範囲を限定しておく必要があります。それでも完全に解消することは難しく、随時対応の必要が出てくるかもしれない点については、念頭に置いておきましょう。

外注ヘルプデスクの種類

外注ヘルプデスクの種類

ヘルプデスクには、大きく分けて「オンサイト型」と「オフサイト型」に分けられまアウトソーシングする業務内容を明確にするためにも、両者の特徴を把握しておきましょう。

外注業者のなかには、「オンサイト型・オフサイト型のどちらにも対応可能」「PCやスマートフォンなどのキッティング作業は郵送でも可能」など柔軟な対応を行っているサービスもあるので、各特徴を踏まえたうえで比較・検討してみてください。

オンサイト型

オンサイトとは、実際に現地やオフィスへ赴いて対応することです。

例えば、現地へ向かいパソコンや周辺機器の修理・点検を行ったり、オフィスに常駐して問い合わせ対応を行ったりといった業務がオンサイトにあたります。

担当者が業務を行っている場面に立ち会えるので、安心感があるでしょう。オンサイトにて問い合わせ・クレーム対応を委託すれば、ユーザーニーズの把握や指示出しがスムーズに行えます。

ただし、常駐してもらうためのスペースが必要になるので、オフィスが狭かったり、そもそもオフィスを持っていなかったりする企業の場合、オンサイト型のヘルプデスクを依頼するのは難しいでしょう。

オフサイト型

オフサイトとは、依頼者から離れた場所で対応することです。

オフィスにヘルプデスク用のスペースを設ける必要がなく、本社から遠くに拠点がある、より専門的なスキルを持つ委託業者に依頼できます。また、支店を複数持つ企業にとっては、問い合わせ窓口を一本化してサービスを安定させられる点もメリットと言えるでしょう。

ただし、対応シーンに立ち会えない分、依頼できる業務が限られます。パソコン修理などの物理的な処置が必要な業務は任せられないので、気をつけてください。

アウトソーシングできる業務範囲

アウトソーシングにて請け負うことのできる業務は業者によって異なりますが、主に以下が挙げられます。

  • 社内従業員からのサービスやITツールなどに関する問い合わせ対応
  • クライアントからの自社サービスに関する問い合わせ対応
  • 社内ITツールの導入サポート
  • 社内IT環境の整備
  • PC、スマートフォンのキッティング作業

など

社内・社外からの問い合わせに対応したり、パソコンのツール設定を行ったりと、IT関連のサポート業務を主に対応。なかには、システム運用などの専門的スキルが必要な業務を任せられる業者もあります。

何を目的としてヘルプデスクをアウトソーシングするのか、社内のニーズやゴールに沿った業者を選びましょう。

ヘルプデスクのアウトソーシングにかかる費用相場

ヘルプデスクのアウトソーシングにかかる費用相場

ヘルプデスクのアウトソーシングを検討するにあたり、もっとも気になるのがコスト面ではないでしょうか。多額の費用がかかっては、元も子もありません。

一般的な費用感をご紹介する前に、まずはヘルプデスクのアウトソーシングの2つの料金方式からご紹介します。

固定型・従量型の2種類

ヘルプデスクのアウトソーシングにおける価格設定は、大きく「固定型」「従量型」の2つに分けられます。

固定型

費用が月額で定められているタイプです。

毎月かかる費用が同じなのでコスト面のスケジュールを立てやすいというメリットがあります。

毎月同じくらいのヘルプデスク業務が発生する企業におすすめです。

従量型

対応件数もしくは対応時間ごとに費用が定められているタイプです。

繁忙期・閑散期など業務量に沿った支払いができるのがメリットです。

月によりヘルプデスクの業務量に差が出る企業におすすめです。

業務内容別の費用相場

先述した2種類の価格設定とは別に、どの範囲の業務を任せるかによっても費用が異なります。

以下は、問い合わせに対応する窓口業務のみの場合と、より専門的なテクニカルサポートを依頼する場合の費用相場です。

業務内容
固定相場 / 月
従量相場 / 件
問い合わせ対応(窓口業務)
5〜100万円
300〜1,000円
テクニカルサポート
10〜150万円
-

月額にここまで差が出るのは、請け負える業務範囲や、対応時間の差によるもの。対応時間に指定がある場合は比較的安く、24時間など長時間対応の場合は比較的高く設定されています。また、夜間の対応が含まれる場合にも費用が高くなる傾向です。

テクニカルサポートは、原則として月額費用で設定されています。

いずれにしても、業者・業務内容・支払い方式などによって大きく差が出るので、ある程度の依頼業務が決まっているなら実際に見積もりを出してもらったほうが良いでしょう。

ヘルプデスクの外注業者を選ぶ基準

実際に業者を選ぶ際には、さまざまな選定基準があります。どこに重きを置くのか、改めて確認したうえで検討しましょう。

請負範囲

依頼したい業務が明確に決まっている場合は、請負範囲を基準にすると良いでしょう。定まっていない場合でも、請負範囲を中心に比較することで、依頼を必要とする業務が見えてくるかもしれません。

セキュリティ面

独自の情報や機密事項が多い企業は、セキュリティ面が気になるでしょう。具体的にどのようなセキュリティ対策をとっているかを見比べることで、より安心して業務を任せられるはずです。

優良業者を見極めるための、もっとも分かりやすい指標と言えるでしょう。

費用

アウトソーシングにかけられる予算が限られている場合は、費用面で比べましょう。「ここまで予算をかけるべき業務なのか」「一部の業務を内製化してほかの部分を外注しよう」など、請負範囲の基準にもなります。

請負実績

過去にどれほどの業務を請け負ってきたかの実績も、業者を選ぶ際に重要なポイントです。実績が多いほど、積み重ねてきたノウハウにより質の良いサービスが受けられるでしょう。

「請負実績が多い=優良企業」と一概に言えるわけではありませんが、ひとつの指標として参考にしてみてください。

ヘルプデスクのアウトソーシングを賢く活用

ヘルプデスクのアウトソーシングについて、メリット・デメリットから費用相場にいたるまでご紹介しました。請負範囲や外注業者によって、かかる費用は大きく異なります。企業にとって最善の方法が見つかるように、ぜひこの記事を参考にしてください。

メリットもあればデメリットもあるヘルプデスクのアウトソーシングですが、きちんと比較・検討することで、社内業務を効率よく行えるようになるでしょう。

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