業務効率化のアイデア12選 | 失敗しない進め方やツールも紹介
生産性の向上やコスト削減、利益の改善など、多方面で重要になる「業務効率化」です。
この記事では、ビジネスの業務効率化におけるアイデア12選、効率化できるツールやITシステム7選を紹介します。
またアイデアだけを出すだけではなく、出した案を実際に進める方法や効果の検証方法、メリットなどの知識も網羅的にまとめました。
この記事に書かれている知識やアイデアを活用して、業務効率化を目指してみてください。
そもそも「業務効率化」とは?
業務効率化とは、普段の仕事内容を見直して非効率な業務や業務プロセスを省くことを指します。
たとえば、企業内における業務プロセスは時代の流れや環境、対応する人員などによって最適な方法は異なるものです。100%正解という仕事のプロセスは存在しないため、仮に既存の資源(環境・人員・時間)が減少しても高い成果を上げられるよう、常に業務の効率を見直さなければいけません。
また、「早く作業して業務を終わらす」のような、対応する人によって差がでるものではなく、誰もが行えることを前提にする必要があります。そもそも必要のない業務を洗い出して業務自体を行わなかったり、優先順位を下げたりすることも方法のひとつです。
業務効率化のアイデアやツールについては、記事後半で解説するので参考にしてみてください。
業務改善や生産性向上との違い
業務効率化と似た言葉に「業務改善」や「生産性向上」といったものがあります。まったく違う意味を持つビジネス用語ですが、混同されていることも事実です。
ここでは業務改善・生産性向上と比較することで、業務効率化の意味を明確にしていきましょう。
業務改善との違い
業務効率化と業務改善の違いは、簡単に伝えると規模の大きさです。
そもそも業務効率化は、仕事の“ムダ・ムリ・ムラ”にあたる非効率なタスクを削減して改善すること。改善される内容のなかには、環境や時間など、企業内におけるあらゆる資源が対象になるでしょう。
しかし、業務改善は「一人あたりの生産性を上げる」ことが目的のため、業務時間と業務成果のバランスの見直しが対象です。
生産性向上との違い
業務効率化が非効率な作業の削減が目的に対して、生産性向上は少ない資源で大きな成果を上げる働きを指した言葉です。業務改善とも異なり、「労働生産性」「資本生産性」「全要素生産性」といった、企業が持つあらゆるリソースが含まれています。
企業における大きな目的は、生産性を高めて利益を上げること。生産性向上施策の一環として、業務効率化や業務改善があると考えておきましょう。
業務効率化をすることのメリットとは?
先述したように、業務効率化とは仕事における業務プロセスを見直し、非効率なタスクを削除・改善することです。業務効率化を進め社内に定着すれば、企業は多くのメリットを得られるでしょう。
企業が得られるメリットとはどのようなものなのか、次で解説していきます。
時間的なコストの削減
企業が利益を上げるには、収入(売上)を伸ばすか支出(コスト)を減らすかの2通りです。日々の業務は企業利益を上げ続けるためにあり、必然的に上記のどちらかに関わってくることでしょう。
なかでも業務効率化は、仕事の“ムダ・ムリ・ムラ”を削減することで業務時間の短縮が見込まれます。業務時間が短くなることで、残業費や人件費のコスト削減に繋がり、企業利益をさらに向上させられるでしょう。
社員のモチベーションアップ
業務効率化によって残業時間が減少すれば、従業員の負担は大きく減ります。また、残業がないことで定時退社が可能になり、従業員が働きやすい環境づくりに繋がるでしょう。
その結果、社員のモチベーションが上がり、より高い成果を生みやすくなるはずです。
物質的なコストも削減
業務効率化の一環としてITの導入をすすめた場合、物理的なコスト削減が期待できます。
たとえば、今まで会議資料を印刷して手渡ししていたなら、ペーパーレス化してPDF一括送信に変えるだけで、従来かかっていた物理コスト(時間や手間)を削減できるのです。
このように、時間的なコストだけでなく物理的なコスト削減にも繋がることが、業務効率化の大きな特徴と言えるでしょう。
生産性の向上
先ほど述べたように、業務効率化は生産性向上施策の一環。言い換えると、業務効率化を進めることで生産性の向上も見込めるのです。
また、コスト削減による効果だけではなく、業務時間短縮により新しい取り組みにも人員を割くことができるでしょう。新たなチャレンジを行う余裕が生まれることも、結果として生産性向上に繋がります。
利益の改善
さまざまなメリットを紹介しましたが、やはり一番は利益の改善が見込めることでしょう。
コスト削減により、生産性が向上したり従業員のモチベーションがアップしたりすることは、最終的に企業の利益に繋がります。企業は利益を出すことで従業員に対価を支払え、従業員は対価を受け取ることで家族を養えます。
業務効率化によって利益を上げ続けることは、企業の存続だけでなく、従業員の未来も担っているのだと認識しておきましょう。
効率化しやすい作業
業務効率化のアクションを実行する際は、実現可能な作業から始めることが基本です。実現可能な作業とは、言い換えると効率化しやすい作業のことであり、業種・内容を問わず以下のものが該当するでしょう。
- 繰り返しの多い作業
- 標準化しやすい作業
- 自動化が可能な作業
こちらについて、それぞれ解説します。
繰り返しの多い作業
繰り返しの多い作業はマニュアル化しやすく、業務効率化に適しています。
たとえばパターン化しやすい「問い合わせ時の対応」や、人によって伝える項目が変わる「業務報告」などが挙げられるでしょう。
これらをマニュアル化しておけば、担当者が変わってもスムーズな引継ぎ・対応が可能になり、ムラを省くことに繋がります。
標準化しやすい作業
「フォームへの記入」「書類の提出」など、元々担当者による差が少ない業務も、効率化を実現しやすいでしょう。これらの業務はマニュアル化だけでなく、自動化の面からも効率化に適しています。
あらゆる側面からアプローチできれば、より業務効率化を実現しやすくなるでしょう。
自動化が可能な作業
自動化とは、人手で行っていた業務をシステム化することを指す言葉です。たとえば「日々のデータ収集」や「給料の計算」などが該当し、これらはITを導入して業務効率化できます。
現代企業の多くはパソコンを使った業務が主流で、タスクを自動化して業務効率化を図ることは必須とも言えるでしょう。
業務効率化のおおまかな進め方
ここまでは業務効率化を進めるメリットと、実行しやすい作業について解説しました。
簡単におさらいすると、業務効率化にはいくつかのメリットが存在し、企業の利益を上げるためには必要不可欠なアクションです。また、アクションしやすい作業を把握することで、よりスムーズに業務効率化が叶うはずです。
以上を踏まえたうえで、実際のおおまかな進め方について確認してみましょう。
現状の作業の流れを把握する
業務効率化を進めるにあたって、必ず最初に行うのが現状の流れを把握することです。
業務の棚卸をすることで、不要または重複しているプロセスを見える化できるでしょう。課題や改善案など、具体的な次の行動が見えてくるはずです。
問題点(ムリ・ムダ・ムラ)を洗い出す
業務の棚卸ができたら、次に問題点(ムリ・ムラ・ムダ)を洗い出しましょう。
基本的には、重複している作業や似たような作業に、問題点が潜んでいる可能性が高いです。担当者が変わることによって弊害が出る作業も、課題として捉えておくと良いでしょう。
改善策を立案する
業務効率化に該当する問題点が見つかったら、次の流れとして改善案を立案します。その際は次のことを念頭に置いておかなければいけません。
- 現実的であるか
- 数値的検証が可能か
- すぐに取り組める内容か
改善策を実施する
改善案が立案できたら、次は策を実施しましょう。このときに「現実的であるか」「すぐに取り組める内容か」に沿った案でなければ、おそらく実施することができません。
たとえば、業務過多による生産性の低下が起こり、「人員不足」を問題点に挙げたとします。改善案として「人員増加」を立案しても、企業内で権限がなければどうすることもできません。仮に人員増加できたとしても、期待する働きを達するには育成が必要になるでしょう。
改善策を実施できない場合は、改善案自体を考え直す必要があります。
効率化の効果を検証する
改善案を実施したあとは、効率化の検証をする必要がありますが、先述したように必ず「数値的検証」をしなければいけません。
たとえば「朝礼時間の短縮」を目的とした場合、定量的(数値的)な指標が定められていなければ、簡素化できたかの判断が個人の裁量に委ねられてしまいます。
この場合は、10分かけていた朝礼を5分にするために「昨日の業務報告の簡素化」を行い、結果3分間の短縮に繋がったなど、誰でも同じ認識になるような検証軸が必要です。
検証内容に従い改善を繰り返す
検証内容の良し悪しに関わらず、新たな課題を見つけ出して改善を繰り返していくことが必要です。
この考え方は「PDCAサイクル」と呼ばれ、それぞれ「P=計画」「D=実行」「C=検証」「A=行動」を表しています。業務効率化のアクションに正解はないため、必ずどこかで新たな問題点が出てくるものだと考えましょう。
一度の行動で満足せずに継続していくことが、業務効率化を進めるうえで重要です。
業務効率化のアイデア出しの方法
業務効率化の立案をする際は、基本的にたくさんアイデアを出してから優先順位をつけていきます。しかし、業務効率化のサイクルに慣れていないと、アイデア出しに苦労してしまうでしょう。
そこでおすすめなのが「ブレインストーミング」という手法です。ブレインストーミングとはどういったものか、次で詳しくみてみましょう。
おすすめの方法「ブレインストーミング」とは
ブレインストーミングとは1950年頃に誕生した、複数人で行う会議手法のことです。一人で考えるのではなく、複数人で自由にディスカッションすることで、よりクリエイティブな発想を促す目的があります。
ここで大切なのが「ネガティブな発言をしない」こと。個人の固執した概念に捉われないディスカッションが、ブレインストーミングの効果を引き出します。
バズセッションの方法
バズセッションとは、ブレインストーミングにおける効果的な手法のひとつ。主なやり方は、以下の通りです。
- 6人前後のグループを複数作る
- グループ内でリーダーと記録係を設定し、テーマについてディスカッションする
- まとまったアイデアをグループ間で共有する
グループ内から全体へと規模を広げていくことで、多種多様なアイデアを出しながら、優先順位をつけやすいことがバズセッションの特徴です。
KJ法のやり方
KJ法もブレインストーミングのひとつで、出されたアイデアから情報を分析する手法です。課題の本質を明確にする効果もあるので、バズセッションと使い分けることで、効率よくアイデア出しができるでしょう。
KJ法については、以下のやり方を参考にしてみてください。
- ブレインストーミングで出たアイデアをすべて紙やカードに書く
- カテゴリーでまとめてから見出しをつける
- 見出しを基に関連性を図に書き換え、さらに文章に落とし込む
成功する業務効率化のアイデア12選
業務効率化について、おおまかな進め方やアイデア出しの方法をお伝えしました。
ここまでの情報をもとに、業務効率化のアクションを進めることはできますが、可能な限り先に成功事例を確認しておくべきです。成功事例やよく使用されているアイデアを真似してみることで、企業環境に合った新しい進め方に気づける可能性もあるでしょう。
それでは、実際に成功する業務効率化のアイデアについて、次で詳しく解説していきます。
1. 不要な業務をなくす
効率化の成功事例として、すぐに実行できるのは不要な業務をなくすことです。
たとえば、業務の棚卸をした際に「要らないのでは?」と感じた業務があれば、なくすことで空いた時間を他の仕事に充てられるでしょう。
注意点として、絶対に個人で判断することは避けてください。独断で決めてしまうと、「実は必要だった」とあとからトラブルになる可能性もあります。不要な業務をなくすときは、必ずチームで判断するようにしましょう。
2. 業務フローをスリム化する
業務フローをスリム化することも、業務効率化の一環と言えるでしょう。
たとえば、業務過多になっている部署や人がいることで、全体的に仕事が遅延する可能性が上がります。仮に余裕がある部署や人がいるのなら、業務を分担してスリム化すれば問題が解決するかもしれません。
こういった業務全体のフローを見直し、再構築することも非常に大切です。
3. 業務をマニュアル化する
定期的に発生する業務や、担当する人によって時間差が出るものは、一度マニュアル化してみると良いでしょう。
マニュアル化することで、誰でも同じクオリティと時間で業務を遂行できます。特に新人が行う業務をマニュアル化していれば、ミスを減らしたり育成の時間を短縮できたりするでしょう。
4. PCなどで業務を自動化する
データのチェックや数値の計算など、パソコンを使う業務であれば自動化できないか考えてみましょう。
単純作業は誰でもできるぶん、業務の見直しがされないことも多いです。しかし、単純作業を長く続けているとミスが起こりやすく、結果として大きなロスに繋がることもあります。
プログラム設定やエクセルのマクロなど、有効なものは積極的に使用するべきでしょう。
5. テンプレートを作成する
パソコン業務のなかには、どうしても手作業で行わなければいけない仕事も多いです。何度も同じ文書を作成するのであれば、テンプレートを用意すると業務効率化に繋がるでしょう。
たとえば「売上報告書」などは、人によって伝える項目に差があっては、受け取る側が困ってしまいます。情報量が少なかったり多かったりしないよう、テンプレートで伝える内容を決めておけば、確認や作成時のムラをなくせるでしょう。
6. 業務を統合する
複数の部署や人が関わっている業務は、仕事を統合することでスムーズに対応できるようになります。
仕事はたくさんの人が関わるほど少ない負担で済みますが、そのぶん情報共有に時間がかかるでしょう。業務過多になってはいけませんが、無理なく任せられるような仕事なら、統合すると業務効率化に繋がるかもしれません。
7. 業務の優先順位を定める
業務の優先順位を定めることも、業務効率化の一環になります。
企業によって異なりますが、基本的には一日で複数のタスクをこなさなければいけません。こういった複数のタスクに対して優先順位をつけておけば、誰でも効率の良い順番で業務を進められます。
その結果、優先順位の高い業務が遅れることはなくなり、チームや個人の生産性は高くなるのです。
8. ナレッジを共有するシステムを作る
業務に関わる人員は、経験や能力によって得手不得手が異なります。特に自分が得意な分野に関しては、ナレッジ(情報・知識)も多く持っているものです。
ナレッジを部署やチーム内で共有できるシステムがあれば、人によっては苦手に感じていた業務をスムーズに対処できるかもしれません。
部署やチーム内での生産性向上は、企業の利益に直結します。より大きな成果を出すためにも、個人ではなくチーム・部署の生産性を第一に考え、ナレッジは共有するべきだと言えるでしょう。
9. テレワークを推進する
新型コロナウイルスの感染拡大防止や、働き方改革の一環で定着しつつあるテレワークですが、業務効率化の観点からみても推奨できる取り組みのひとつです。オフィス以外で仕事をすることで、通勤時間の短縮やオフィス管理の経費削減に繋がります。
また、家庭の事情で退職しなければいけない方でも、テレワークであれば辞めないで済むかもしれません。離職率の低下やコスト削減など、テレワークを推進することは、企業にとっても大きなメリットがあると言えるでしょう。
10. 会議や打ち合わせの時間を短縮する
会議や打ち合わせの時間を短縮することも、業務効率化に繋がると言えます。たとえば、「配布資料の電子化」や「参加人数の見直し」といった工夫が挙げられるでしょう。
また、企業内で解決できないような事案に関しては、外部に仕事を任せてみることもひとつの手です。コストはかかりますが、会議が長引いたことによる残業や参加していた従業員の作業時間確保には繋がります。
相対的に見て外部依頼のほうがメリットが大きければ、検討してみるのも良いでしょう。
11. アウトソーシングする
先ほど述べたように、業務のすべてを企業内のリソースだけで完遂する必要はありません。ときには外部企業やフリーランサーへの委託など、アウトソーシングすることも効率化できる方法のひとつです。
特に、専門知識を要する分野で対応できる人員がいない場合は、新しく採用するコストや育成の時間を考えると、アウトソーシングしたほうがメリットは大きいと言えるでしょう。
12. ツールやITシステムを導入する
現代企業において、ツールやITシステムを導入することは業務効率化に必要不可欠です。効率化させたい問題点に合うツール・ITシステムを導入すれば、すぐにでも効率化を実現できることでしょう。
注意点としては、提供されているツールの多くは価格の違いによって性能に差があること。「有名だから」「コストが安いから」といった理由ではなく、企業の問題点に沿った解決ツールを導入しましょう。
業務効率化のためのツール・ITツール7選
先ほど少しお伝えしましたが、ツール・ITツール(ITシステム)の導入は業務効率化に必要不可欠です。しかし、現代では多くのツール・ITツールが存在しており、どういった特徴があるのかすべてを理解することは難しいでしょう。
そこで、業務効率化のためのツール・ITツールをおおまかなジャンルごとにご紹介します。問題解決に最適なツールを、以下を参考に検討してみてください。
1. ビジネスチャット
企業内や外部と手軽にコミュニケーションが取れるビジネスチャットは、業務効率化に適したツールと言えます。
手頃な価格で販売されているため、コストがあまりかかりません。また、スマホを使った閲覧やオンライン通話にも対応しており、複数のツールやパソコンなどの環境がなくても手軽に利用できます。
「Slack」や「ChatWork」が有名で、導入している企業は多いでしょう。
2. Web会議システム
コロナ禍で一般的になったWeb会議システムも、業務効率化に適したツールのひとつです。
パソコンやスマホひとつでWeb会議ができるため、場所を選びません。特にリモートでの業務を導入しているのであれば、必要不可欠なツールでしょう。
先ほど挙げた「Slack」や「ChatWork」以外に、「Zoom」や「Microsoft Teams」が有名です。ただし、外部企業と会議をするのであれば、同じツールでなければいけないので注意してください。
3. オンラインストレージ
オンラインストレージとは、インターネット上にデータを保存できるディスクスペースのことです。
さまざまな場所からデータの閲覧が可能なため、わざわざメールで添付する必要がありません。スマホにも対応していることで、外出先で急遽資料が必要になっても、コンビニなどで簡単に印刷できます。
容量無制限プランがある「Dropbox」や、ユーザー数無制限の「セキュアSAMBA」が有名です。
4. ショートカット
正しくはツールではありませんが、操作を簡略化できるショートカットも業務効率化に大きく役立ちます。
有名なものだと、WindowsやMacに搭載されているショートカットキーが挙げられるでしょう。たとえば、表計算ソフト「Excel」を使用している企業は多いと思いますが、マウスで行っていた操作を、ショートカットキーを使えば手間を大きく省くことができます。
小さなことですが、積み重なると大きな時間の違いが出てくるため、よく使うものはチーム内で浸透させておくと良いでしょう。
5. タスク・進捗管理ツール
社内で個人が抱えているタスクは、同じ部署内であってもすべて把握することは難しいです。こういった場合、タスク・進捗管理ツールを導入しておけば、部署内全員が同じ情報を共有することができます。
タスク・進捗管理ツールといえば「Senses」や「Notion」が有名で、ToDoリストやスケジュール管理を駆使することで業務効率化を図れるでしょう。
6. ファイル共有システム
ファイル共有システムとは、「社内で効率的にファイルのやり取りをするシステム」のことです。
複数人で同じファイルを共有できるため、会議などで資料を何枚も用意する手間がかかりません。また、部署内でメールのやり取りをする必要がなく、業務をより円滑に回せるでしょう。
先ほど述べたオンラインストレージと酷似していますが、複数人で同じファイルを参照できるものを指すと覚えておいてください。なかには「Googleドライブ」のように、ファイル共有システムとオンラインストレージを兼ね備えたツールもあります。
7. RPA
RPAとは、パソコンなどで行うデータ収集や、バックオフィス業務などの作業を自動化してくれるツールのことです。
RPAはAI機能がついているわけではないため、予想外のアクシデントに対して自分で判断することはできません。しかし、原則として専門的な技術が要らず、直感的な操作が可能で業務効率化に大きく役立つことでしょう。
「WinActor」や「BizRobo!」が有名なので、IT環境に問題を感じているならぜひ検討してみてください。
業務効率化アイデアの事例4選
業務効率化に役立てるツールをお伝えしましたが、実際に成功するかはチャレンジしてみないと誰にもわかりません。
現時点で問題解決に適したツールがわからないのであれば、外部企業の成功事例を参考にすることもひとつの手段だと言えます。
ここでは業務効率化に成功した事例をいくつか紹介するので、参考にしてみてください。
事例1:RPAやExcelの自動化
保険の取り扱いを事業としている『三井住友海上火災保険株式会社』は、接客に時間を要することによる業務時間の確保が課題でした。
そこでRPAやExcelの自動化を導入したところ、1ヵ月で1,200時間もの人件費を削減しました。導入にかかるコストはありますが、作業負担が減ったことで従業員のモチベーションは上がり、結果として質の高いサービスの提供で生産性は向上しているでしょう。
企業の課題に適したツールを導入したことで、業務効率化できた事例です。
(参考:年間20,000時間以上の業務自動化に貢献 効果的なRPA活用を実現した「RPA導入支援サービス」 | 事例紹介 | 東芝デジタルソリューションズ)
事例2:web会議やテレワークのためのITツールの導入
『東日本電信電話株式会社(NTT東日本)』は、時間的コストの削減を課題に挙げ、働く環境を大きく変更しました。主な取り組みとしては、web会議やテレワークなどのITツールを導入して、業務時間外の負担を削減。
在宅勤務が増えたことで、従業員は「時間の有効活用」を考えるようになり、結果として残業時間の大幅カットに成功しました。従業員の意識改革に成功して、生産性を上げた事例だと言えるでしょう。
(参考:取組事例(東日本電信電話株式会社) | 働き方・休み方改善ポータルサイト)
事例3:データベースの一元管理
『株式会社マイナビ』では、質の高いサービスを提供するために部署間でのやり取りが多く、手間や時間がかかることが問題でした。
この問題に対して、データベースの一元管理をすることで複数人での共有が可能になり、時間的コストを削減しました。データを多く取り扱う企業ならではの悩みを、上手く解決した事例だと言えます。
(参考:導入事例(株式会社マイナビ 様) │UnitBase/ユニットベース)
事例4:企業内の環境改善
『株式会社ブリヂストン』は、従業員の働く環境を変えることで生産性を上げた企業です。
具体的には、RPAによる自動化や会議ルールの変更を取り入れ、従業員の発言・気づきを優先した行動を起こしました。その結果、従業員間のコミュニケーションは増え、部署内の雰囲気も良くなったことで生産性が向上したのです。
「人軸」にフォーカスして、業務効率化に成功した事例と言えます。
(参考:取り組み事例(株式会社ブリヂストン) | 働き方・休み方改善ポータルサイト)
業務効率化を行う際の注意点
業務効率化には、以下のような注意点があります。
- 必要なものまで切り捨てない
- 一度に多くの改善策を実行しない
- 目標とする効果が出るまで改善する
- 手段が目的になるのを避ける
- 操作が難しいツールを導入しない
実際に行う際の注意点について、詳しく見てみましょう。
必要なものまで切り捨てない
業務効率化の進め方でもお伝えしましたが、誤って必要なものまで切り捨てないようにしましょう。
業務効率化は、仕事のプロセスに潜む“ムダ・ムリ・ムラ”を削って改善することが目的です。ここで重要なのが「非効率なタスク」を切り捨てることで、必要なものを削除しては効率が下がるだけで意味がありません。
また、少ない人員で決定すると、どうしても個人の見解が入ってきて正確な判断はできないです。必ずチームや部署で話し合って、非効率なタスクを見つけ出しましょう。
一度に多くの改善策を実行しない
慣れていないうちは、とにかく多くの改善策を実行しなければと考えてしまうでしょう。しかし、一度に多くの改善策を実行すると、何がどれにどれだけ影響しているのか、効果検証が難しくなります。
また、対応する従業員の負担も増え、生産性が下がってしまう恐れもあるでしょう。
従業員の負担がないよう、1~3つくらいの策を実行することが望ましいです。
目標とする効果が出るまで改善する
業務効率化を実行するうえで、必ず長いスパンでの成功をイメージしなければいけません。
設定したターゲットが低かったり、もともとの環境が悪すぎたりした場合は、結果はすぐについてくるでしょう。しかし、企業全体で捉えたのなら、決して満足できる結果とは言えないはずです。
大きな成果を上げるためにも、効果が出るまで何度もアクションすることが大切です。
手段が目的になるのを避ける
失敗例として多いのが、手段が目的になってしまうことです。
特に、アクションした際に従業員全員の認識が統一されていなければ、人によってゴールのビジョンが異なり、失敗する可能性が高くなるでしょう。明確なイメージができていなければ、目の前にある手段を正しく実行することしか考えられません。
業務効率化を進める際は、必ず関わるすべての従業員と目線合わせが必要です。
操作が難しいツールを導入しない
ツールを導入して業務効率化を図る場合は、関わるすべての従業員が操作できるものにしましょう。
人には必ず得手不得手があり、複雑な操作を苦手としている従業員も必ずいます。使う人の能力によって効率が変わっては意味がないため、環境に適したツールを導入することが重要です。
業務効率化の検証方法
業務効率化について述べてきましたが、成功させる秘訣は効果検証にあるといっても過言ではありません。効率化の効果が現れているか把握することで、正しいアクションなのかを判断できます。
たとえば「時間的コスト」を目的としているのに、ターゲットが「サービスの質」だと本質がズレてしまいます。ズレていることに気づかないままだと、業務効率化はいつまで経っても達成できません。
このような失敗をしないよう、正しい検証方法について次で解説していきます。
KPIを設定する
業務効率化のゴールには、必ず数値的検証が可能なKPIを設定しなければいけません。
KPIとは「重要業績評価指標」のことで、企業におけるもっとも大切な数値と言えるでしょう。
仮に飲食店を例に挙げると、売上を作るために「客数」「客単価」「1点単価」「平均点数」など、さまざまな要素が関わってきます。これらがKPIになり、業績(売上)を伸ばすうえで重要な指標です。
企業によって重要視される指標は異なるので、業務効率化を成功させるには、まずKPIを理解しておくことが大前提だと考えておきましょう。
トライ&エラーで取り組む
KPIと同じく検証方法で大切なのが、トライ&エラーで取り組むことです。
業務効率化のアクションは、成功することもあれば上手くいかない場合もあるでしょう。失敗してしまったとしても、何度も繰り返していくことで成功へと辿り着けるため、一貫してゴールを目指す姿勢が重要です。
また、失敗における検証ができていれば、多くの「気づき」を得ることができます。次に繋がる大切な経験として活きるので、ポジティブに業務効率化に取り組みましょう。
効果を検証しつつ改善を続けることが重要
この記事では業務効率化について、企業における重要性や進め方などをお伝えしました。
現代社会では、常に便利なサービスが開発されており、企業環境も目まぐるしく変化しています。現状上手くいっているやり方でも、少しのきっかけで失敗してしまうかもしれません。
そうならないよう、常に企業内の問題点にアンテナを張り、PDCAを回して効果を検証しつつ改善を続けていくことが重要です。
「クラウドSE」で業務効率化を実現
業務効率化に便利なITツールですが、導入を考えていてもIT人材のリソースや操作に不安を抱いている企業も多いです。
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