マスターPCとは?3つの作成方法や注意点についてわかりやすく紹介
「マスターPCって一体何?」「マスターPCってどうやって作成するの?」という疑問をお持ちの方は多いことでしょう。キッティング作業で当たり前のように使われている「マスターPC」ですが、やや難しそうなイメージもありますよね。
しかし、一度理解してしまえばマスターPC自体はそこまで難しいものではありません。キッティング作業において必要不可欠とも言われるマスターPCについて紹介します。
また、手作業で作成する方法や専用ソフトを使用する方法、専門業者への依頼方法についてもお伝えしていきます。作成時の注意点やよくある質問についても触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。
マスターPCとは?
「マスターPC」とは、ソフトウェアのインストールや設定を複数のPCに一括して施すために、最初に作成する設定済みのPCのことを指します。「キッティングマスター」や「マスター端末」なども同義で使用されることが多いです。
マスターPCを作成することで、複数のPCのキッティングが容易になり、大量のPCのキッティングが求められる場合には、大幅に作業量を減らすことができます。
マスターイメージとは?
「マスターイメージ」とは、複数のPCに対して同じ設定を適用するために使用するイメージファイルのことです。OSやソフトウェアなどの情報が、マスターイメージにまとめられています。
マスターイメージをほかのPCに展開、いわゆるクローニングをすることで、同じ環境を簡単かつ迅速に構築することが可能です。
一方で、マスターイメージに不備があると、キッティングを行うすべてのPCにその不備が反映されてしまうので注意しましょう。
マスター展開とは?
マスターイメージをもとに、複数のPCに同じ設定を適用する手法のことを「マスター展開」と呼び、クローニングと同義として扱われることもあります。
マスター展開を行うことで、同じ環境を持った複数のPCを短時間で作成することが可能です。
個々のPCのキッティングを手動で行う必要がないため、大量のPCのセットアップを大幅に効率化できます。
マスターイメージとクローニングの関係性は?
「クローニング」は、マスターPCに用意したマスターイメージをコピーして、複数のPCのキッティングを一斉に行う方法です。
そのため、マスターイメージとクローニングは密接に関係しているといえるでしょう。クローニングでキッティングを行う場合には、両者に精通している必要があります。
マスターイメージの作成やクローニングには、専門知識やスキルが必要になる場合があるため、自社で対応が難しい場合は外部委託も検討すると良いでしょう。
マスターPCの作成方法は3つ
ここでは、マスターPCを作成する3つの方法を紹介します。
それぞれの方法に特徴があるので、自社に向いている方法はどれなのかを考えながら読み進めてください。
手作業で作成する
マスターPCを作成する一つ目の方法は、手作業での作成です。
一台のPCに、必要なソフトウェアのインストールや各種設定を手動で施し、マスターイメージを作ります。
細かい設定やカスタマイズが必要な場合に、柔軟に対応できることがメリットです。一方で専門知識やスキルが不足していると、作業に時間がかかったり、人的ミスが発生する可能性があるため、効率性や正確性に欠けるというデメリットもあります。
専用ソフトを使用する
次に、マスターPC自体は手動で作成し、専用ソフトを使用してクローニングを行う方法があります。
専用ソフトを使用したクローニング方法は下記の通りです。
- 設定用のPCに専用ソフトをインストール
- USBなどを用いて起動メディアを作成
- マスターPCとなる一台のPCに、必要なソフトウェアをインストール
- 起動メディアを使用してマスターPCを起動し直す
- マスターPCの設定をひとまとまりにしたイメージファイルを作成
- イメージファイルを外付けHDDなどに保存
- 外付けHDDを複製したいPCに接続
- 2で作成した起動メディアを使用してPCを起動
- PCにイメージファイルが配信され複製が完了
クローニングツールを利用することで、1台単位、あるいは複数のPCを同時にクローニングできるため、効率的に作業を進めることができます。
専門業者へ依頼する
3つ目の方法は、専門業者へ依頼する方法です。マスターPCの作成には専門知識やスキルが必要であるため、自社での作成に不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
専門業者は、要件や目的に合わせて最適な設定やカスタマイズを行い、マスターPCを作成してくれます。また、クローニングまでまとめて依頼もできるでしょう。
専門業者に作業を一任できるので、自社でやることは少なく、コア業務にリソースを集中させることができるおすすめの方法です。
マスターPCの作成には注意が必要
マスターPCはキッティングにおいて非常に重要な役割を担うため、マスターPCの作成は慎重に行う必要があります。
ここでは、マスターPC作成時の注意点を3つ紹介するので、ぜひ確認してみてください。
機種やOSごとに作成する必要がある
キッティングする複数のPCにおける機種やOSが異なる場合には、それぞれの機種・OSでマスターPCを用意しなければなりません。
そのため、求められる知識やスキルは多く、社内でさまざまな機種やOSを利用している場合は、作成に多大な労力を要します。
またマスターPCの作成から検証には数週間、長ければ1か月程度かかることがあるので、PCをいつから使用したいのか明確にして、スケジュールを調整しましょう。
ボリュームライセンスを購入する必要がある
PCにインストールされているOSは「OEMライセンス」と呼ばれ、そのPC自体に付属しているため、ほかのPCにコピーすることは認められていません。
大量のPCにクローニングするためには、再イメージング権が必要です。再イメージング権は、「ボリュームライセンス」の特典のため、ボリュームライセンスを購入する必要があります。
再イメージング権がないままOSをコピーすることは、ライセンス違反となるので注意してください。
マスターイメージ作成後に検証を重ねる
マスターイメージに不具合があるままクローニングしてしまうと、展開先のPCにも不具合がコピーされてしまいます。そのため、クローニング前に入念な検証を行うことが重要です。
検証を重ねて不具合がないか確認することで、トラブルの防止や作業の効率化につながります。
軽微な不具合であればそのまま使用できる可能性もありますが、マスターPCの作成を一からやり直さないといけない場合もあるので、検証を怠らないようにしましょう。
マスターPCの作成は外部委託がおすすめ
マスターPCの作成には、専門知識と慎重な作業が必要とされるため、外部委託がおすすめです。
外部委託することで、「作業時間や人件費が削減できる」「高品質で信頼性の高いマスターイメージが作成できる」「外注先の専門知識を利用できる」などのメリットがあります。
また、IT担当者の負荷が軽減されることで、より売上や利益に直結するコア業務に集中できるようになるでしょう。
キッティング代行ならクラウドSE
自社でマスターPCを作成してキッティングを行うには、専門知識やスキルが必要です。IT担当者がいない企業では、右も左もわからず大幅に時間と労力がかかってしまう可能性も否めません。
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